人工知能は人間を超えるか

囲碁、将棋、チェスのなかで一番好きなゲームは何かと聞かれたら、私は囲碁を選びます。
相手と交互に石を置いていき、自分の石で囲まれた部分を自分の陣地にできる。最終的に陣地が大きいほうが勝ちになるという単純なゲームです。
単純ではありますが、盤面が非常に大きいために局所的な戦いがあちこちで起き、それぞれの戦局が拡大して互いに干渉していく影響も考えて戦略を練る必要があります。局所的に勝って陣地を獲たとしても、じつは大局的に見れば損をしていたということがよくあります。
これほど大局観が必要になるゲームも珍しいのではないでしょうか。

そんなゲームですが、盤面は \( 19 \times 19 \) マスの広さを持ちます。そのため終局までに可能なパターンはおよそ \( 19 \times 19 ! \sim 10^{760} \) という莫大な数になりそうです。(~ は、だいたいの値は、という意味です。)(巷では\( 10^{360} \)以上や \( 10^{172} \)になるといったりしていますが、どうやって出しているのでしょうか?どなたか教えてください。。)
これは普通に考えてパソコンでは処理しきれないパターンの数です。このため、人間に勝てるコンピュータープログラムを作ることは困難でした。

しかし、数年前にAlphaGoという名前のプログラムがプロ棋士を破るという快挙を成し遂げました。このニュースは“AI”の開発研究が非常に高いレベルまで来ているということを世間に知らしめました。

そこで気になるのが、人工知能 AI は本当にできるのか?できているのか?最前線の研究はどうなっているのか?という疑問でしょう。
この本はそれの答えを教えてくれます。

物理学における人工知能の応用

物理学に人工知能を応用しようという動きも近年活発になってきました。どういった部分に活用するかというのは分野によると思いますが、一例を紹介します。

非常に大規模な物理実験を行ったときには大量のデータが得られる場合があります。このデータを分析して何らかの法則を見つけることができれば、この実験はこの物理法則に従っていたのだ、という結論を出せます。
しかし、大量のデータを人の手で分類して解析するのは困難です。そこでこれを“AI”にやらせる。つまりデータから法則を自動的に取り出せるような“AI”を作ってしまおうという研究があるのです。

正直これは“AI”というよりも従来の数値計算の延長線上のようなものです。
ただし、そのアルゴリズムには人間の脳を模したニューラルネットワークという構造を使用しており、分類して解析するという動作を人間の脳内で行われているような処理方式で行っています。
私は専門ではないのでこれでなぜうまくいくのかわかっていませんが、物理実験がどんどんと巨大になっていく分野では精力的に研究されていて、実用段階まできているようです。

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