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ねこ背は治る 知るだけで体が改善する「4つの意識」(小池義孝著)とスポーツ科学と物理学(と居合)の関係について

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体の構造についての知識を得るだけで、ねこ背が治るなど、体の使い方が大幅に改善すると謳っている本です。
確かに、ここに書かれていることを知るだけで姿勢がよくなります。
ベストセラーになっているだけあります。

おそらく、ここに書かれている知識はどこかで習ったことがあるかもしれません。しかし、そういった知識を有効活用できているかどうかは、単に暗記して記憶に残っていることとは違います。
有効活用できてこそ、単なる記憶が本当の「知識」になる瞬間ですね。

肩甲骨の構造についても書かれていますが、テニスのラケットを振るときに肩を入れたほうが良い、という理由がわかりました。なるほどです。

スポーツ科学と物理学の関係について

体の構造の原理的な部分を理解すれば、様々なスポーツで応用を効かせることができます。
大学時代にスポーツ科学の講義を聞いて、体はどういう動作をしているのか、どういった動作をすれば効率的に力を伝えることができるか、ということを教わったことがあります。

たとえば歩く動作は逆さになった振り子のような動作でモデル化できます。すると、足が長いほうが歩く周期(一歩にかかる時間)が長いことがわかります。

アイススケートでスピンをしているとき、手を大きく外側に広げた状態だと回転が遅いのに、手を体にコンパクトに畳むと回転速度が上がる、ということも物理学で説明ができます。これは有名かもしれませんね。

他には、刀を鞘に収めた状態からの居合斬りがなぜ速いのか、ということを物理学を駆使して理論的に理解することもできるようでした。いろいろ説があるようですので、そのなかの一つの説だと思って聞いてください。
刀が鞘から出たあとに相手を切る動作は、刀の先を見れば円弧を描くような動作です。つまりこれは回転運動です。
回転運動をするには回転の中心の向きに刀を引っ張っている必要があります。それに必要な力 F と回転速度 v の関係は、F = m v^2 / r です。ここで、r は回転運動の半径、つまり刀の長さです。
これから、刀を中心方向に引張る力が強ければ強いほど、刀の先の速度 v が速くなるということになります。

それでは、刀を鞘に収めた状態から初めましょう。まずは鞘から刀を抜く必要がありますが、この動作によって刀を持ち手の方向に勢いよく引っ張ることになります。ここで、刀が鞘から完全に出た瞬間に回転運動を始めると、刀を中心方向に引張る力が強い状態から回転を始めるので、鞘がない状態から回転を始めるのと比べて回転速度が速くなる、らしいです。

正直私は納得していないのですが、なかなかおもしろい説ではあります。

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