哲学 本の感想 自己啓発

「じぶん・この不思議な存在」(鷲田清一著)と働くモチベーションについて

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じぶんってなあに、という哲学的問についての新書を読みました。このような変な疑問にとりつかれることがあっても、哲学書を開けば誰かが考えてくれているということがわかり、安心感を得られることがあります。たとえそこで書かれていることに腑に落ちなくても、世界のどこかで自分と同じ疑問を持って生きている人がいるということを知ることは、とても精神的な安定感を与えてくれると思います。

じぶんを知るには他人との関係を知らなければならないとも言えるかもしれません。このため、この哲学的分野は心理学と密接に関係していると言えます。実際、この本で引用されている参考文献のいくつかは心理学関係の本のようです。
著者の体験した具体的なエピソードもいくつか書かれていて、楽しんで読むことができました。

働くモチベーションについて

アイデンティティを自分の仕事によって求める人は多いと思います。初めての人にあったとき、自分の仕事はこれこれですと自己紹介することは多いでしょう。この本でも人生や仕事についてコメントされていました。それを一つ引用しておきます。

多くの人が「ワーカホリック」(仕事中毒)といわれるまでに勤勉にはたらく。が、そのモチヴェーションについては、がちがちの自己解釈を加えないほうがいい。たとえば、満ちたりた将来のためにいまできるだけがんばっておこうという論理、これは未来の幸福のために現在をとてつもなく貧しくする論理である。

なるほど確かにこれでは「いま」の人生が犠牲になってしまっています。しかもこの考えをずっと続けてしまったら、将来リタイアして仕事を終えるまでずっと「貧しい」ままになってしまいます。

私は、将来のためにがんばっておこうという考えは支持しますが、それはどこかの時点で落ち着いて「いま」の幸せを享受する期間も設定しておくべきだと思います。そうでなければ、人生終わるまで仕事しかしなかったという最期になってしまいます。

例えば、将来やりたい仕事に就くためにいい大学に頑張って入るという人がいると思います。これはいいと思います。仕事に就いたらついたで、よりよい階級につくために頑張って仕事をするかもしれません。これもまあいいと思います。
しかし、目標はどこなのでしょうか?明確な目標もなくとりあえず頑張っておくというのは、ずるずると頑張り続けてしまう恐れがあります。
目標があっても、それを達成したら次の目標まで頑張ってしまうこともあるかもしれません。ですが、必ずどこかでいったん休みましょう。

頑張り続ける人生は失敗だと思います。なりたい仕事に頑張ってついて、就いた後も頑張り続けて、というのではその仕事は天職ではないのかもしれません。いったん小休止して、ほかに人生を豊かにする方法を探すことをおすすめします。

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