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「おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密」(高井浩章著)と物理学者をやめた人々について

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この本では、世の中の仕事で経済を回している仕事とはなにか、経済に逆効果な仕事とはなにか、を中学生向けのクラブ形式で解説したりしています。

この本の登場人物の先生はもともと物理学者を目指していて、それを諦めてクオンツと呼ばれる金融関係の仕事(作中では銀行家と表記)についていたという設定です。その仕事内容はまさにリーマンショックを引き起こす原因となった金融商品に少なからず関係していて、先生はそれを後悔し、銀行家から離れた生活をしているということになっています。
そんな金融のプロが、中学のクラブでおカネの話をしてくれる本になっています。なかなかおもしろいです。

物理学者をやめた人たちについて

リーマンショックの原因となる金融商品を作り出したのは、クオンツと呼ばれる銀行家のうちの一部だといわれています。
そして大学院で物理を専攻していた物理学者がその道を断念したときに、彼らが就職する先のうちの一つがクオンツです。NASAが宇宙開発をやめたときにリストラされた物理学者たちが向かった先が、クオンツのような金融関係の仕事だとも言われています。

私の知人で物理をやめた人の多くも、クオンツやアクチュアリーと呼ばれる金融関係の仕事についています。彼らはリーマンショック後から働き始めている世代なので、その仕事内容は”まとも”で、人々の役に立つことをやっていると聞いています。

物理学者は戦争時には原爆を作りました。”頭がいい人”はその能力を使う方向性を間違うと、世界を混乱に陥れる力を生み出してしまいます。
研究だけしていれば無害か役に立つことをやっているはずですが、時代の流れで利用されてしまうことがあったり、夢を諦めた反動で金儲けだけに走ってしまうような人もいます。リーマンショックの場合はその金儲けのために作り出した商品が世界を混乱に陥れました。

物理学者の道は狭き門ですが、それを諦めた人たちを有効活用してくれる受け皿のような会社が増えるといいですね。最近では、金融工学の知識を持つクオンツを雇う銀行や、アクチュアリーと呼ばれる数学的な技量の資格を持つ人を雇う保険会社、論理的に考え話すことができる人材を使う外資系コンサル会社などが、彼らを社会のために有意義に使っています。

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